建て方

天候に恵まれた先週末、建て方が行われた。

軸組は一階から二階まで、大きな切妻屋根を掛けた大屋根形式。

二階の天井高を確保するため、屋根は6寸勾配(約31度)。

いつも通り軒は深く、樋を含めた軒の出は1.5m。

屋根が羽をのばした鳥のように大きく、一歩引いて見たときにバランスよく。

 

垂木間には面戸板。

屋根裏に外気を取り込むため、台形にくり抜き、虫やコウモリが入らないようステンレスのメッシュを貼る。

旧家の古梁をつかった現しの小屋組。

表面は水洗いで汚れを落とし、手斧(ちょうな)で仕上げた表情はそのままに。

古梁には仕口などの切欠きがあるため、屋根荷重は直行する母屋で負担。

古梁は意匠的な役割に留めた。

丁寧に解体・保管されていた古梁を新たな家で活かすため昨年10月に採寸。

設計はこの作業から始まった。

柱や梁など、県産材の桧で揃えた構造材の大半は、意匠として表に現れる化粧材。

一階と同様、二階も化粧の構造材で空間を構成する。

表に現れる柱や梁には、壁や天井を差し込むための溝加工を施している。

こうするこどで構造材が乾燥収縮しても、壁や天井との取り合い部分に隙間が生じにくい。

 

構造材が意匠的な役割も果たす場合、すべては建て方までの事細かな段取りが肝心。

市街地の喧騒を離れた小ちいさな集落で、木組みの家づくりが本格的にはじまった。

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