庇
庇をこよなく愛する私は、外観の表情が落ち着かないとき、よく庇を付ける。
庇は表情を引き締める意匠的な役割のほか、雨の日でも窓が開けることができる。
継ぎ目を設けずに納めようとすると、特注品となりコストが上がってしまう。
けれど、庇を設けると縁が切れ、規格寸法の外壁で納めることもできる。
……私の生まれ育った部屋はひどく風通しが悪く、断熱材のだの字もない古い家だった。
高校になって部屋にやっとクーラーが付き、夏に窓を開けることはほどんど無くなった……
意匠性、機能性、施工性など、庇には色々な産物がある。
窓を開けっぱなしにして風通しよく過ごしたいという願望が、庇をこよなく愛するルーツかもしれない。
シークレットベース|2020年8月4日