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会津西街道(別称:下野街道)の半農半宿の宿場「大内宿」には、茅葺屋根の民家が建ち並んでいる。

街道に沿って歩いてゆくと、土産物を売っている「美濃屋」で気になるものが目に留まり、足が止まる。

それは、土産物ではなく、茅葺屋根の民家でもない。

奥で佇む土蔵だった。

美濃屋の女将さんに、「職業柄、土蔵が気になって仕方ない」と話すと、快く案内してくれた。

女将さん曰く、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された大内宿では、茅葺屋根の民家と同様、このような土蔵に手を加える際にも様々な規制が掛かってしまうという。

例えば、土蔵に使われる土ひとつとっても、同じものを使わなければならない。

この土蔵を増改築した際には、もともと使われていた土と同じ原土が近くで採れたらしい。

しかし、以降は同じ原土が採れなくなり、他で増改築した人は新潟県から運んできたという。

置き屋根のディテールには、めっぽう弱い。

いつか、置き屋根の建築に携わってみたい。

 

大内宿で土蔵が見たいなんて声を掛ける人は珍しいかもしれない。

けれど、女将さんの表情はとても嬉しそうだった。