強い風が吹く、ある日の出来事。
近所のおじさんに「親戚の家で樫の木切ったから要るかい?」と、二つ返事で伺ったお宅で玉切りに精を出す。
ふと、古い味噌小屋が目に入り、背筋が伸びる。
さっきまで玉切りに夢中だったが、一転、味噌小屋に心奪われる。
小さいながら均斉の取れた佇まいに心奪われていたが、細部に目をやると、丁寧な仕事の上にあると気付く。
継ぎ足してほんのりむくりをつけた破風板。
梁と桁が十字に交差する渡りあごの仕口。
土台の出隅は、大入ほぞ差し込み栓打ち。
竹小舞下地の土壁。
表に現れた基礎の切込み砂利は、洗い出しのような表情。
ふと、我に返ると強い風が止んでいた、ある日の出来事。
奇特メガネ|味噌小屋|2020年4月2日
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