耐力壁

屋根に薪ストーブの煙突が取り付けられ、構造の要となる耐力壁の施工が始まった。

耐力壁は、地震や風の水平な力に対して建物が倒壊しないように抵抗するための壁。

その主な種類は、柱と柱の間に入れる筋違、構造用合板、両方を組み合わせた耐力壁などがある。

 

前職時代に設計してきた家々は、合板素材を一切使用しない「チルチンびと仕様の家」。

住環境や地球環境に適した自然素材への理解を深めてきた一方で、これからは普及が進む断熱性・省エネルギー性が高いエコハウスについての知識や経験も深めていく必要がある。

 

そこで今回は筋違は使用せず、壁断熱材の充填がしやすく、断熱欠損が生じにくい構造用合板で耐力壁つくる。

とはいえ、自然素材へのリスペクトが変わることはない。

構造用合板は、様々なクライアントの要望に対して柔軟に対応する選択肢の一つ。

耐力壁の仕様は、平成30年に国土交通省が追加した高倍率仕様の構造用合板耐力壁。

釘の種類、躯体に固定する釘の間隔を変えることで、壁倍率(地震や風の水平な力に耐えうる指標)が2.5倍から3.7倍と高くなる。

頭が緑のCN釘を合板の外周部で75mm以下、中通りで150mm以下の間隔で留めてゆく。

耐力壁は小屋裏にも設けている。

小屋裏は独立した存在ではなく、一階の床上から屋根面までを一階として考える必要がある。

屋根面が受ける水平力は小屋裏の耐力壁で負担し、同じグリッド上にこれから設ける一階の耐力壁に伝達させる。

ちなみに耐力壁のグリッドは、基礎工事の際に設けた構造グリッド(地中梁)とリンクしている。

 

構造用合板が貼られた光景は、私にとってとても新鮮な光景。

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